不動産の遺産分割方法について
2019/10/10
こんにちは。市川市の司法書士法人・土地家屋調査士わたなべ総合事務所です。
相続人が複数いる場合、相続人間で協議が整えば、亡くなった方の遺産をどのように分けるかは自由です。現金や預金の割合が多ければ、比較的簡単に分けることが出来ますが、預貯金などはほとんどなく、遺産は土地や建物のみというような場合、どのように分割するべきか悩む方が多いです。
不動産の分割方法としては、以下のような方法があります。
①現物分割
文字通り、土地や建物そのものを分割する方法です。土地の場合、分筆登記を法務局に申請することにより、1筆の土地を2筆に分けることが出来ます。 この方法が原則とされていますが、現物分割を行う場合、注意すべき点が多いです。まず、土地を分筆してそれぞれで持つことにした場合、売却する際の価格が変わってしまう可能性があります。土地を半分にしたからといって半分の価格で売却出来るとは限りません。例えば、大きい土地のままであればマンションを建てることが出来るけれども、2つに切ってしまうと難しくなってしまう、というようなことが考えられます。 また、同じ大きさに分けたとしても、日当たりや接道状況などによって、それぞれの土地の価値に差が出てくることもあります。現物分割を行う際には、事前に不動産業者に相談するなど、慎重に調査することをお勧めします。
②代償分割
これは、一部の相続人が不動産を取得し、他の相続人には代償金を支払うという方法です。
遺産である不動産に相続人の誰かが住んでいるようなケースで多く行われます。代償分割をする場合、不代償金をいくら支払うべきかが問題となります。
不動産の評価方法は、公示価格、固定資産税評価額、路線価、不動産業者に査定してもらう、不動産鑑定士に査定してもらうなど様々あり、この評価方法でもめることが多々あります。
評価方法につきましては、先日の記事(相続不動産の価値について)も併せてご参照ください。
また、遺産を取得する相続人に代償金を支払えるだけの資金がなければ、代償分割はできませんので、遺産が、亡くなった方と相続人の1人が居住していた自宅だけであるような場合、協議が難航することがあります。
③換価分割
これは遺産である不動産を売却して、その売却代金を分割する方法です。
遺産である不動産を、誰も使用していないし、今後も使用する予定がないような場合は、この方法をお勧めします。不動産を所有しているだけ毎年固定資産税や都市計画税がかかります。
ただ、どこの不動産業者に依頼するか、いくらで売却するかなどでもめることもあります。また、相続人が昔住んでいた実家であるような場合、売却することに心理的に抵抗があり、協議が進まないこともあります。
④共有分割
これは、不動産を複数の相続人で共有するという分割方法で、法定相続分に応じた登記をします。
上記の3つの方法が取れないような場合、この方法が使われることがあります。相続人の1人が住んでいるが、資力がないので、とりあえず法定相続分で登記をして、そこに住んでいない相続人には持分割合に応じた賃料を払う、というようなケースや、売却したいが売却方法で合意が出来ず、とりあえず賃貸に出す、というようなケースです。
共有名義にしてしまうと、不動産の売却の際には全員の合意が必要となったり、共有者の1人が亡くなると更に相続が発生し、次々と共有者が増えてしまうなど、権利関係が複雑となる場合もありますので、ご注意ください。
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