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遺言書について

      2016/11/21

こんにちは。市川市の司法書士わたなべ事務所の司法書士渡邊那津実です。

 

このようなご相談がありました。

昨年、親しくされていた御兄弟が亡くなられたそうで、そろそろ預金や不動産の相続手続きを始めたいとのこと。故人にはお子様がなく、財産はお世話になった弟夫婦(依頼者)に相続させる旨の遺言書がありました。しかし、その遺言書には印鑑の押印がなく、残念ながら遺言書として効力は認められませんでした。

 

遺言書は厳格な様式が定められており、要件を満たさなければ遺言書は無効となってしまいます。

 

遺言書には、大きく分けて2種類ございます。

1つは「自筆証書遺言」といってご自身で全文を手書きする方法です。

この場合、次の要件を満たす必要があります。

 

  1. 遺言者が全文を自筆で書きます。

他人が代筆したり、パソコンで打った部分が一部でもあれば遺言書は無効となってしまいます。必ず全文を手書きで書きます。

 

  1. 作成した日付を記載します。

日付が特定出来るように「平成28年8月24日」「2016年8月24日」のように記載します。「平成28年8月吉日」のような書き方ですと、日付が特定できず無効となってしまいます。

 

  1. 遺言者が署名・押印します。

押印は認印でも良いとされていますが、後に争いになるリスクを考えると、実印の方が望ましいです。

 

その他の注意点としまして、内容は正確かつ具体的に記載し、曖昧な表現は避けましょう。また、訂正の際にも厳格な要件があり、遺言内容を訂正する場合は、その場所を指示し、これを変更した旨を付記して特にこれに署名し、かつ、その変更の場所に印を押さなければならないとされています。

遺言を書き終えたら、偽造防止のため封筒に入れ封印することが望ましいです。

 

作成後は遺言書の保管方法にも注意が必要です。遺言書は、厳重に保管すべきですが、誰にも発見されなければ無意味となってしまいます。また、遺言によって不利になる人に発見された場合、捨てられたり改ざんされてしまうリスクもあります。

遺言書によって財産を譲り受けることとなる人や信頼出来る人に遺言書の存在や保管場所を伝えておく、或いは遺言書自体を預けておくと良いかもしれません。

 

自筆証書遺言の場合、遺言者が亡くなった後、裁判所での検認が必要です。検認とは、相続人に対し遺言の存在及びその内容を知らせるとともに、遺言書の内容を明確にして遺言書の偽造・変造を防止するための手続です。

封印がされている場合、検認前に遺言を開封してはならないこととなっています。もし開封してしまった場合、過料に処されることがございますので注意が必要です。

 

 

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