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相続放棄について

      2016/11/21

こんにちは。市川市の司法書士わたなべ事務所の司法書士渡邊那津実です。

 

ここ最近、裁判所で相続放棄をしたいというご相談を数件頂きました。

よくあるケースが、亡くなったご家族の財産を見るとプラスの財産より借金が多く残っているので放棄したいという場合や、何十年も会っていなかった親や兄弟が亡くなり、自分が相続人の1人である旨の通知を受けたが、債務が残っていないか心配なので放棄したいというような場合です。

相続人になると、亡くなった方の預金や不動産だけでなく、債務も引き継いでしまうことになります。そういった場合、期間内に裁判所に申し立てをすれば、相続を放棄することが出来ます。

そこで注意しなければならないのが、下記のような点です。

 

・申し立てには期限があるので早めの手続が必要です。(自己のために相続開始があったことを知ってから3ヶ月以内)

 

あくまで「自己のために相続開始があったことを知ってから」3ヶ月以内ですので、亡くなった後3ヶ月が過ぎているからといって放棄ができない訳ではありません。最近ご依頼を頂いたお客様は、突然債権者から請求書が届いて、初めて被相続人が亡くなったことを知ったとのことでした。そういった場合は、請求書が届いたときから期間の算定をします。その方は通知が来てすぐにご相談くださったので、無事手続をすることが出来ました。

また、期間が過ぎてしまっても事情によっては相続放棄をすることが可能ですので、諦めずに一度ご相談ください。

 

・一度相続放棄をしてしまうと、後でやっぱり相続したいと思っても、相続放棄を撤回することはできません。

後から高価な財産が見付かったり、やっぱり気が変わって財産が欲しいと思っても、相続放棄を撤回することは出来ませんので、慎重にご検討ください。但し、脅迫されたり騙されたりして相続放棄をしたことによる取消は可能です。

 

相続財産を処分したり、隠匿した場合、放棄が出来なくなります。

借金だけは放棄して、プラスの財産だけ頂こう、というようなことは出来なくなっております。処分というのは、預金を使ったり、不動産の名義を変えたりすることに加えて、財産を破壊したり株式の議決権を行使するといった行為も含まれます。債務の支払いについては判断が分かれるところですので、支払わない方が無難です。

 

相続放棄をすると、次順位の相続人が相続人となります。

相続放棄をすると、最初から相続人ではなかったものとみなされますので、相続放棄をした人がいなかった場合相続人となるべき人が相続人となります。(孫等への代襲はありません)例えば、父親が亡くなり、子供が相続人となったが相続放棄をした場合、父親の親が相続人となります。(第二順位)父親の親も相続放棄をした場合、今度は父親の兄弟が相続人となります。(第三順位)子供が相続放棄をしたら良いものだと思っている方も多いのですが、安心してはいけません。親族の誰にも債務を相続させたくないような場合は、次順位の相続人も併せて放棄の手続きを行ってください。

 

詳しい手続につきましては、お気軽にご相談ください。

今後も少しずつブログを更新していこうと思っておりますので、よろしくお願い致します。

 

 

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